ギャンブル 2016 12 25
これも書きにくいテーマです。
時々、宗教的なことを書いている私としては、
このようなテーマは書きにくいのです。
それでも、インスピレーションが降りてきて、
「あなたも、麻雀、パチンコ、競馬をやったでしょう」と言う。
「あれは、私が20代の頃で、若気の至りです」と抗弁はしましたが、
そういう「過去」があるので、ギャンブルについては、
「経験者」でないと正確な論評ができないと思い書くことにしました。
いくら頭がよい人でも、「未経験者」では、
空理空論になる可能性があります。
その点、私は、経験者なので、
経験論的に論評ができるかもしれません。
さて、最近、日本で話題になった「Integrated resort推進法」、
つまり、「IR推進法」については、賛成です。
わかりやすく言えば、ホテルの一部にカジノを作るという話です。
誤解しないでほしいのは、宗教的に賛成ではなく、
経済学的に、いや経営学的に賛成ということです。
さて、ホテルの経営に興味を持ったことがありますか。
最近は、「訪日客」が激増して、ホテルの経営も楽になったと聞きますが、
「訪日客」が少なかった時代は、ホテルの経営は苦しかったでしょう。
それなのに、「大都会でないのに、
こんな場所にホテルを建設して、大丈夫なのか」という疑問を持った人が多いと思います。
このような疑問に対しては、
私は、「たとえ、ホテル部門が赤字でも、
併設されている結婚式場が黒字ならば、ホテル経営は成り立つ」と答えていました。
しかしながら、今、日本では、急激に少子高齢化が進んでいますので、
いつまでも結婚式場に依存したホテル経営が成り立つとは思えません。
さりとて、ホテルの一角に「葬儀場」を併設すると、
誰もホテルに宿泊しないでしょう。
企業経営において、
「ある部門が赤字だから、その部門はやめてしまう」というわけにはいかないのです。
その部門が提供している商品やサービスを利用している消費者がいるからです。
全部の部門が赤字では、企業経営は成り立ちませんが、
どこかの部門が黒字ならば、なんとか経営が成り立ちます。
さて、話が堅くなりました。
そこで、ギャンブル経験者の、いや今でも現役の吉崎達彦氏に、
わかりやすく解説してもらいましょう。
この本を読んで気づくことは、吉崎氏は、かなり博学です。
そして、「洒脱」でしょう。
休日は、ギャンブルにどっぷりつかりながらも、
文面からは、俗気がなく、さっぱりした雰囲気が伝わってきます。
これも、一種の「悟り」でしょう。
世の中には、実に不思議な「悟り」があるものです。
「事実は小説より奇なり」と言いますから、そういうこともあるのでしょう。
書名 気づいたら先頭に立っていた日本経済
著者 吉崎 達彦 新潮社
「過去の経験者」である私と「現役の経験者」の吉崎氏が忠告したいことは、
ギャンブルで苦しいのは、負けた時ではありません。
負けた分を半分でも取り返そうと思った時から地獄が始まるのです。
ギャンブルで負けた時は、たとえ大敗しても、
笑顔で、さっぱりした顔で帰ることです。
そしてギャンブルをしばらく休むことです。
これができない人は、ギャンブルをやってはいけません。
運が良いと、どんなことをしても勝てますが、
運が悪くなると、どんなに努力をしても、勝てません。